公開日: 2023年08月08日

性暴力救援センター【なごみ】視察見学

先月(令和5年7月)、愛知県弁護士会の犯罪被害者支援委員会の活動の一環として、京都弁護士会との協同で、性暴力救援センター「なごみ」へ視察見学を行ってきました。

1 性暴力救援センター「なごみ」について

性暴力救援センター「なごみ」とは、名古屋市の八事日赤病院に設置されている病院拠点型の性暴力救援センターです。病院併設型の性暴力救援センターは全国的にもまだ珍しく、ここでは24時間365日開設されています。

病院拠点型の利点は、何と言っても“ワンストップ”で性暴力救援に対応可能なことです。被害者が「なごみ」に連絡した場合、支援員(アドボケーター)、性暴力被害者支援看護師(SANE)、医師(主に産婦人科医)、公認心理士・臨床心理士の支援を受けることができます。

また、必要に応じて、警察、行政機関(児童相談所等)、法曹関係者(主に弁護士)、福祉関係機関とも連携体制がとられています。

2 なごみでの具体的な対応

(1)相談支援

まずは24時間ホットラインで電話があったときには、電話された方の気持ちに寄り添って、話を傾聴してくれます。電話や面談にて対応する性暴力被害者支援看護師(SANE)は、性被害専門の研修を受けた看護師で、なごみの院内には現在30名、院外を合わせると約50名が在籍しているとのことでした。

(2)証拠保全

性被害に遭われた方の緊急性が高い場合には、証拠採取(膣内容物等の採取、レイプドラッグがある場合の採血、検尿など)や、緊急避妊薬投与も行ってくれます。また、被害から約1か月後には性感染症検査も行ってくれます。

(3)心理的支援

被害後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)に移行しないよう、SANEによる面談も行ってくれます。

また、実際にPTSDになってしまわれた方に対しては、PTSDに有効とされる治療法として、例えばトラウマ焦点化認知行動療法(持続エクスポージャー療法(PE、PE-A)、認知処理療法(PT)など)をその方に合わせて選択し、実施してくれます。

 

なごみの視察見学を通じて、性犯罪被害に遭われた方への総合的な手厚いサポート体制がとられていると実感しました。24時間365日いつでも相談可能という点も安心です。
また、性犯罪被害に遭ってしまったものの、警察には連絡するのは躊躇われる方にも、なごみでは相談者の方の意向に配慮されているとのことです。

不幸にして実際に性被害に遭われてしまった方、自分の家族・友人・知人が性犯罪被害に遭ってしまい、どこに相談していいか分からない方は、一度「なごみ」にご相談されてみるとよいかと思います。

【なごみの連絡先はこちら】
24時間365日ホットライン 

052-835-0753なごみ

 

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